2011年6月14日火曜日

6月7日第四回ゼミを開催しました!



6月7日(火) +DESIGNゼミvol.3の第四回ゼミを行いました。

今回のゼミには、人と防災未来センターで阪神・淡路大震災についての体験を
お話しされている、語り部ボランティアの秦詩子さんにお越しいただきました。
秦詩子さんには当時の体験を詳細にお話しいただきました。

・防災を学ぶという事は命を守る事。知識が役に立たない、無駄になることは
 幸せということ。

・地震が起きた瞬間は飛行機が落ちたと思った。家具や家具の引き出しが飛び、
 凶器になった

・家族が家にいた事がラッキーだった。息子さんがキャンプ好きで、キャンプ道具
 もあった


・玄関がゆがんで外に出ることができなかった。

・いつもと風景が違った。いつもは高速道路の音がうるさかったが、音も無かった
 高架から垂れ下がった電車の下を走ってくぐりぬけた。

・家族で集まる場所を決めておくことが大切。

・すぐには救助が来なかったので、近所の人々が瓦礫掘りをして救助する
 しかなかった。息子さんも救助やご遺体の運び出し作業をされていた。

・自分が生きているという事を知人に知らせることもできなかった。情報が
 欲しいが、情報が無かった。避難所という言葉も知らなかった。

・食料を手に入れる為に、ゆがんだ自宅へ戻り、辛うじて密閉された容器に入った
 お米砂糖を確保できた。

・破裂した水道管からの水をお米に使った。

・地震によって水脈が変わり、井戸水も汚れていた。

瓦礫の木材、ブロックなどで火起こしをした。

・家族の為に材料を持ち寄って食べ物を作っていたが、いつの間にか段々と人が並び
 始めて、100人分の料理を調理していた。

・被災をしたら、いろいろな仕事や作業をして、体を動かして欲しい。動かないと
 落ち込んで深みにはまってしまう。

・私たちの合言葉は「ひとりにはならないでおこう」。同じ体験をした者同士、
 何人かで居る方が気持ちは和らぐ。

・心理的な事は目には見えず、PTSDは自分ではわからない。

・ボランティアは人の届かないところへ支援する。話を聞いてくれる人が居ることが
 大切である。

・車で寝ると、余震の体感が和らぐが限度がある。当時認知度が低かったエコノミー
 症候群
が多かった。

・4か月テントで暮らした。本当なら、1週間の生活が限度だった。結露がひどく、
 布団は毎日干していた。

・それまで近所付き合いや友達付き合いがあり、多くの友達に助けられた。

・火おこしなど、火の知識について一般の人は持っていないので、火の担当者は
 なかなか変わることができない。

水が一番大事だった。トイレが無いことが一番大変だった。今回の地震を受けて、
 水の買い占めが関西でも起きたが、水の苦しみを忘れてしまっている事は問題。

・この体験を肥やしにしていくことが大切。


今回お越し頂きお話しをしていただいた秦さん、ありがとうございました。 秦さんのお話しを受けて、明日からの防災の意識を高める糧となる、非常に貴重なお話しでした。
防災キャンプの企画についても、各チームにとって大変参考になっていたようでした。

秦さんのお話しを受けつつ各チームにはそれぞれの企画についてチームでグループ
ミーティングをしてもらいました。


■ ディスカッション内容
・交流・コミュニケーションを生む
・みんなで参加できるもの
・キャンプファイヤーがベース
・発表会など

■ 企画案
○お話し系
・語り部さんの話を聞く
・今日一日楽しかったことを話す。
・今日嬉しかった事を話す。

○キャンプファイヤー準備系
・火を起こす
・木を集める
・木を切る
・土台づくり

○ゲーム・レクリエーション系
・劇、ダンス、フャイアーダンス、オクラホマダンス、歌う♪
・灯りを描く
・犯人は誰だ!?ゲーム
・フルーツバスケと
・ハンカチ落とし
・伝言ゲーム
・猛獣狩りゲーム
・名前覚える?覚えたゲーム



■ ディスカッション内容
・学ぶ・作る・動くというジャンルに分けて、プログラムを考えていった。
・秦さんの話を聞き、火、水の大切さがわかった。
・火をおこすのは難しい
・マッチやライターを最近の子どもは怖がる
・最近の子どもはオール電化で育ち、あまり火を見たことがない
・虫眼鏡を使い火をおこす
・火を絶やさないことが重要
・ロープワーク
・ハンモックづくり
・火打ち石を使い火をおこす
・オリエンテーリングの中に火をおこすプログラムを入れる
・夜間でもできるプログラム
・天候に左右される
・街中で食べることのできる草を探す



※料理班は秦さんにテーブルについて頂き、さらに炊き出しに関する様々な意見を
いただきました。
■秦さんのお話
・ラーメン屋さんだった方が、炊き出しの際に大きな鰹節を持ってきてくれたので、
 とても良いだしがとれ、贅沢な炊き出しになった。
・ほうれん草の調理には水が沢山必要だが、被災地生活では水が貴重なので、
 ほうれん草料理は使えない。
・カレーは味のごまかしが効くので作りやすい上、大量に作っても、ちょっと工夫
 すれば美味しくなることがある。好き嫌いの多い子供でも、だれでも食べること
 ができる。
・お寿司屋さん、うどん屋さんが来てくれて、炊き出しをしてくれた。その時の
 炊き出しが美味しかった。
・ぜんざいの炊き出しはうれしかった。
・ご飯を綺麗な水とビニール袋に入れて密封し、袋ごとお湯で20~30分茹でると、
 ご飯が炊ける。調理には多少時間がかかるが、梅干しなどを入れてお粥のように
 作ることもできる。
・最近のアルファ米はすごく美味しくなっている。
・お湯はとても重要。カップラーメンもお湯が無いと食べられない。
・豚汁を子供が喜ぶ具材に工夫する。
・震災後1~2日目は水と火が無い。そこでどうするのかが人の知恵。
・震災後1日目は考えるヒマも、食べるヒマもほとんど無かった。
・炊き込みごはんをつくれば、おかずが不要。さらにおにぎりにすればいろいろと便利。
・基本的に炊きものしか調理できない。焼くものは難しい。
・震災後は電気が通っていないので、冷凍(蔵)庫にあるものから処理していった。
・酒屋さんなどが当時ものを分けてくれた。分けてもらったので、復興後にはその
 お店で買い物をする、という見えないところで関係が出来た。
・乾物がたくさんあったので、いろんなものを入れておじやをつくれる。乾物でも
 あったかいので美味しい。
・さつまいもをいれるなど、あり合わせで豚汁になる。
・鍋でつくるものは美味しい。

■料理班の意見
・震災後のシチュエーションを想定して、1日目は冷凍(蔵)庫の電気が無くなりその
 中の食材を腐らせないように知恵を絞ってもらう。
・2日目は物資が届いた想定で、乾物やレトルト食品、コンビニの食材などを組み
 合わせていかに美味しく調理できるかをグループごと考えてもらうのはどうか。
・だんだんと料理がレベルアップして、最終的にはシェフやお店の炊き出しが来たという
 想定で神戸にゆかりがあるシェフとコラボしながら、神戸発の美味しい炊き出し
 メニューのレシピ(パエリアなど)を考え、調理する。



■話し合いの内容
・7月2日(土)実際に何ができるかを考える。
・語り部の秦さんの話しを聞いて「水」と「トイレ」がとても大事ということが分かった。
・炊き出し用に何か作るのは?料理用の土台などは料理班が用意するのか?情報を共有したい。
・みんなが道具を使ってたりして「ノコギリの使い方」などの体験ができたら良い。
・みんなが集まれる拠点を作るのは?
・他の班に手伝ってもらえるところは手伝ってもらうようなプログラムを考えるのでも良い。
・チームの中でやりたい順番を考える。
・アイデアは、できるできないを考えずにとりあえずたくさん上げるようにする。
・避難した時に実際に必要なものは何か?

■まとめ
・「トイレ」、「拠点」、「シェルター(住み家)」、「トリアージタグ(水の使い方)」の4つの項目が今回の話し合いで出た。次回までに実際に作るならどういう風に作るか、参加型かインフレチーム内だけで作るかなど、イメージを具体的に考えてくる。




■ ディスカッション内容
○ 三角巾の使い方
・ 応急手当などで用いられるが、意外とその使用方法が知られていない三角巾の使い方を学ぶ
・ 参加者は、オリジナルの三角巾(スカーフ?)をもちかえることができ、自分の防災グッズとすることができる。
○(プログラム案)
1. 参加者に三角巾(スカーフ?)を身につけてもらい、キャンプ中に自分たちで思い思いに使用してもらう。
2. キャンプ後半(1日目の晩or2日目)に、応急手当の仕方など、実践的な三角巾の使い方を学ぶ。
○(その他)
・ 応急手当以外の、普段の生活で使える使用方法も教える。
 (スカーフの結び方とか)
スカーフの巻き方コンテストを実施しても、おもしろいのではないか。
・ 三角巾の応急手当の方法は、神戸市消防局の方に教えてもらう。
・ 三角巾のサイズに関しては、応急手当で使う際は大きいものが適している。(105cm×105cm×150cm)
・ 白い布に、ペンや、ハンコでオリジナルの三角巾(スカーフ)を制作できると良い。



次回ゼミは6月14日(火)です。NPO法人プラス・アーツによる、防災知識を深めるワークショップを
行います。参加して防災の技と知識を身につけましょう!


【ゼミの様子】




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